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テストセットアップ

主に宇宙線を用いて特性評価を行った。図5.2に示すように ペストフ・スパークカウ ンターを収納した高圧容器を挟んで2組のプラスチックシンチレーションカウ ンターを設置し宇宙線のトリガーならびにスタートタイミングの決定を行った。 バイクロン社製プラスチックシンチレーターBC404、浜松ホトニクス社製光 電子増倍管R2083を用いた。回路図を図5.3に示す。 汎用NIMモジュール及びCAMAC ADC, TDCを用いた。

電子増倍管からの信号はリーディングエッジ・ディスクリミネターによってタイ ミングロジック信号に変換される。プラスチックシンチレーションカウンターか らの信号は統計的揺らぎ等のために変動するが、リーディングエッジ・ディスク リミネターでは一定の閾値が用いられるために、信号の大きさによってタイミン グが変わる(いわゆるslewing効果)。信号の形は相似であると仮定し、信号電 荷の積分値で補正を行った。

$\displaystyle \Delta t = \frac{\alpha}{\sqrt{Q}}$ (2)

但し、$ \Delta t$は補正時間、$ Q$は信号電荷の積分値、$ \alpha$は係数でフィッ トにより求めた。このようにして得られたスタートカウンター間の時間分布を図 5.4 に示す。きれいなガウス分布が得られ、ガウスフィットで得られたその時間幅 ($ \sigma $)は約100ピコ秒であった。

図 5.2: セットアップ略図。Def1, 2はトリガー用プラスチック シンチレーションカウンター。Start Counter 1, 2は スタートタイミング決定用のプラスチックシンチレーション カウンター。共にシンチレーターの大きさは $ 5cm \times 5 cm$
\includegraphics[width=8cm,clip]{fig_13_1.eps}

図 5.3: 回路図。汎用NIMモジュール及びCAMAC ADC, TDCを用いた。
\includegraphics[width=8cm,clip]{fig_13_2.eps}

図 5.4: 得られたスタートカウンター間の時間分布。 ガウスフィットで得られた$ \sigma $は約100ピコ秒
\includegraphics[width=8cm,clip]{fig_13_6.eps}



平成13年5月2日