29a-YW-7  PHENIX実験飛行時間測定器の鉛ガラスカロリメーターからの バックグラウンド測定

 筑波大物理 清道明男、浦沢幸子、絵野沢和彦、大熊靖夫、加藤純雄、倉田美月、
栗田和好、佐甲博之、佐藤進、島田知弘、中條達也、西村俊二、林寛、樋口理子、
平野太一、三明康郎、三浦大輔、宮本祐子、八木浩輔、横田幸郎

Study of albedo background on TOF from PbGl-Calorimeter at RHIC-PHENIX experiment

Universy of Tsukuba : Akio Kiyomichi, Sachiko Urasawa, Kazuhiko Enosawa, Yasuo Okuma, Sumio Kato, Mizuki Kurata,
Kazuyoshi Kurita, Hiroyuki Sako, Susumu Sato, Tomohiro Shimada, Tatsuya Chujo, Shunji Nishimura, Hiroshi Hayashi, Riko Higuchi,
Taichi Hirano, Yasuo Miake, Daisuke Miura, Yuuko Miyamoto, Kohsuke Yagi, Yukio Yokota

 米国のブルックヘブン国立研究所(BNL)において 建設中の衝突型高エネルギー重イオン加速器(RHIC) ではクォーク・グルーオンプラズマ(QGP)の探索を 目的としたPHENIXと呼ばれる実験が行われる予定で ある。我々の研究室はこの実験で飛行時間測定器 (TOF:Time-of-Flight)の開発、製作を担当している。 (図1

 衝突型加速器実験では各種の検出器が詰め込まれた状態で測定を行うことになる。 PHENIX実験においてTOF はトラッキングチェンバーと鉛ガラスの電磁カロリメーターの間に設置されるが、 TOFを突き抜けた粒子が鉛ガラスに入射した際に 後方に荷電粒子の発生が予想される。TOFは1つの カウンターあたりに2個以上の荷電粒子が入射すると時間情報を失う可能性がある。 シミュレーションコードGEANT等の計算により ToFが他の検出器から受ける影響としては鉛ガラス からのバックグラウンドが大きいと考えられている。

 本研究では、このPHENIX実験の装置より飛行時間 測定器と電磁カロリメーターをピックアップし、GEANT を用いてこれら検出器間の動作環境を評価した。また、 KEKPS 二次ビームラインにおいてテスト実験を行った(図2)。

 実験とシミュレーションの結果、鉛ガラスからのバックグラウンド粒子を定量的に 比較検討する。そして、バックグラウンドをどのように評価するかについても 議論する。

   図1:PHENIX detector         図2:実験セットアップ