Townsend理論による電子なだれの発展は、距離の増加に伴い電子数が指数関数的 に増加する。そこで、電子なだれ発展距離を変えて電子数の分布をみた。図 4.7は電子なだれが電場方向に10の発展したときの電子なだれ 中の電荷分布、即ち電子なだれで生成された電子数の分布を示す。統計の揺らぎ に相当する広いテイルを示した。距離の関数として電子数分布の平均値をプロッ トすると、図4.8のように電子数が指数関数で増加しているのが分か る。これより最大の電子なだれとして、100発展した電子なだれにより生 成される電子数の平均値は約1000個と求まる。 得られた分布を指数関数と1次関数の積でフィットし、電子数分布を評価した。
模型2でも同様に電子数分布の平均値を求めると、図4.9のように電子 なだれ発展距離に対して指数関数となった。ここで図4.9の指数関数 によるフィットの結果によると、電子なだれが10程度発展すると、 既に電子数が個に到達しストリーマーに転換すると推測された。